◆業務の内容

  • 不動産譲渡
     法人や個人が土地建物を譲渡するには様々な理由があります。単に余剰物件を売却してスリム化をはかるなどの場合と異なり既に銀行から融資を得て(根)抵当権付になっている不動産については銀行との借入金返済のリスケジュール等の交渉などと連動してその処分が問題となりますし、会社と代表者の倒産処理に連動した不動産処分には処分の時期や適正価格、弁済先など検討すべき問題が少なくありません。
     また通常の譲渡の場合でも物件が多数高額で買い手が限られるような場合とか、売却情報を公開したくないなど場合によっては買い手候補者の絞り込みが問題となるケースもあり、このような場合は信頼のおける不動産業者との協力体制が必須になります。
  • 共有物件の処理
     不動産が会社と個人の共有である、個人の持分が複数の人と共有になっている、個人間の共有が相続により発生しているとき、相続以外の原因により共有になっているときなど一口に共有といっても様々なケースがあります。そしてこのような共有物を一人で取得したいという共有者もいれば、自分は持分はいらないのでお金にかえたいという共有者もいます。いずれにしてもそのような場合は何らかの方法で共有物を分割する必要があります。
     話し合いによる解決としては示談交渉が典型ですが、並行線で示談交渉が決裂する場合も当然にあります。最近の民法改正により相続による共有とそれ以外の共有が併存する場合、共有関係を解消するための共有物分割訴訟において遺産共有持分についても例外的に分割できる場合もありますが、原則的には共有物分割訴訟と、遺産共有持分を調停で遺産分割したり審判によりなされる遺産分割手続とは、管轄裁判所が異なる別の手続です。また共有物を任意売却以外の方法で換価分割するときは、形式競売という執行手続によることとなります。このように共有者間で争いのある共有分の処分について抜本的解決をはかるには様々な法制度を駆使しなければなりません。
     また遺産分割の対象は共有不動産以外の遺産もありますし遺産分割固有の争点も少なくありませんから、代理人がこのような家事事件をある程度こなしていることは代理人選任の重要な要素の一つといえましょう。
  • 立退問題
     会社あるいは個人が第三者に不動産を賃貸しているが事情により更新せず契約を終了して立ち退いてもらいたい、反対にテナントとして使用しているが貸主側からの立退請求を拒否したいなど更新拒絶の正当事由の有無が争われる事案があります。双方の具体的事情によりケースバイケースですが提示される立退料の金額の妥当性は重要な要素となります。
  • このように不動産処理の問題には様々な法的論点や売買情報の適正管理など多くの専門的問題を伴いますので当事務所にご相談いただくことをお待ちしております。